こんにちは、けいと申します。
東京で機械学習エンジニアをしております。
今回は、私が統計検定2級に合格した内容をお伝えできればと思います。
実体験をもとにその時に思った事も盛り込みましたので、勉強法だけでなく、気の持ちようなども参考にしていただけると思います。
ですので、これから受験を考えている方はもちろんですが、不合格になってしまった方でも「次頑張ろう」と思っていただけると嬉しいです。
最近はAIが注目されるとともに「データサイエンティスト」や「機械学習エンジニア」という言葉をよく耳にするようになった方も多いと思います。
言葉にもある通り”データ”を扱うお仕事ですのでデータを正しく理解して利用する必要があります。
データを正しく扱うためにはたくさんの知識が必要ですが、中でも統計は必要不可欠な知識となっています。
この記事を読んでいる皆さんの中には、データサイエンティストを目指されている方もいると思いますが、その分野で必要な統計の知識を一通り習得できる「統計検定2級」はとても良い資格です。
試験内容については公式ページに詳しい記載がありますので、受験する前に確認しておくと良いでしょう!
なぜ統計検定を受けようかと思ったのか?
そもそも、なぜ統計検定を受験しようと思ったのかを説明します。理由は以下の二つです。
数学に自信がなかったから
私は大学で理系の学部を出ているにも関わらず、数学にあまり自信がありませんでした。
データサイエンティストになるにあたって、数学を体系的に学び直すことで知識を定着させる必要があると考えました。
「取っておいた方が良い」という話を聞いていたから
会社の先輩や知り合いの方に「取っておいた方が良い資格はあるか」と質問したことがあり「この業界で資格はあまり重要視されないが、あえて上げるとすれば統計検定かな」という解答をもらい注目していました。
実際のところ、同期に誘われたから受けたと言うのが本当ですが、まぁそこは良いです。同期と話して2週間後にテストを受けることに決めました。(同期はこの後も頻繁に登場します)
テストに向けての勉強法1
2週間後にいきなりテストを受けることになり、私は焦っていました。一体何をすればいいのか?なぜ同期はもっと余裕を持った日程で挑まないのか?
考えた挙句、私は以下の勉強に取り組みました。
- まずは過去問をひたすら解く
- チートシートがネット上にあるのでそれをテスト前に確認する
なぜこのような勉強方法で勉強に取り組んだかというと、とにかく焦っていたからです。
とりあえず「ゴールを知ることが大事だろう」ということで、いきなり過去問に挑戦するという勉強方法を取りました。
初めは全く分かる訳もなく、問題を見ては解説を確認し、この問題はこうやって解くのかという事を暗記していきました。
1週間くらいこの勉強を行ったのですが、知識が整理されている感覚を全く得ることができませんでした。
そして闇雲に問題を解いては、分からない関数が出て来るたびにググって解説を読むということを繰り返しました。
結局、過去問に収録された3年分の問題を解くことができず、チートシートもざっとしか確認せずにテスト当日を迎えてしまいました。
テストの結果
そしてテストはどうだったかと言うと、、、
26点でした。
惨敗でした。
100点満点中の26点です。
4or5択の選択問題なので、全問当てずっぽうより、少しはましという点数です。
悔しいどころか悲しくなってしまった私は、テスト中のことを振り返りました。テストがどんな状況だったかを記します。
- 最後の2割くらいは問題に手をつけることすらできない
- 時間が無くて焦っているので、問題文を理解することすら出来ないことがほとんど
- 問題に対して、適切な関数がすぐに思いつかない
- 関数を思いついても、どう計算すれば良いのかが分からない
この2週間、一体何を勉強していたんだと言いたくなるような有様でした。
当然、同期も不合格で落ち込んでいるんだろうから、励ましの一言でもかけてやろうと、気の利いたセリフを考えていました。
しかし、、、
なんと同期は一発で合格していました。
同期に聞いた勉強法
私は本当に驚きました。勉強した時間は全く同じなのに、、
悔しいながら、同期にどうやって勉強したかを聞きました。
その時もらった解答が以下です。
- 統計WEBを通して読む
- 過去問を解く
んん、それだけですか。
過去問なら私だってやりました。
統計WEBだって、過去問で分からない公式が出てきた時にググると出てくることもあったので、その時にチェックはしていました。
しかし、彼は統計WEBを通しで読んでいたのです。最初から最後まで、過去問を解く前にです。
統計WEBを読むと合格に近づきます
今だから分かりますが、統計WEBは試験に挑む際には、まず始めに一通り読んでいただきたいです。
以下に統計WEBを通し読みするメリットを示します。
全体像を把握できる
- 闇雲に勉強を進めているという不安が大幅に軽減されて、全体を俯瞰しながら学習を進めることができます。
- それぞれの関数の関係や役割が整理できます。
- 問題ごとに使用するべき関数を整理できます。
統計検定で使用される関数の理解が進む
- 関数の使われ方や成り立ちが、具体例とセットで理解できます。
- 絵や図、グラフや表を使って詳しく説明されていますので解説の内容をイメージしやすいです。
- 一般的で簡単な内容から解説がスタートし、紹介したい理論や関数を説明するという流れなので、非常にとっつきやすいです。
章ごとに練習問題が付録されている
- 良問ばかりなので解くことで頭を整理できます。
- 読んで理解した理論を、すぐに実際の計算で確認できる訳です。
統計WEBはちょっと関数を確認するためのもの、というイメージしかありませんでした。
しかし読んでみると、驚くほどに頭を整理できるのです。
今までモヤモヤしていたところがすっきり分かる部分が多くありました。
統計WEBを一通り読んでから、再び過去問に挑戦したのですが、前回の時と全く感覚が違いました。
統計WEBで知識を整理できていたので、問題文を読み始めた瞬間に最終的に何を聞かれるのか候補がいくつか頭に浮かぶようになったのです。おかげで問題に安心して取り組めるようになりました。
2度目の挑戦の勉強内容
私は、不合格になった当日に、次のテストの日程を再び2週間後に設定しました。
以下に私が実際にテストまでの2週間でどのように勉強したのかを記します。
※私が受けたのはCTB方式です。
これは多数あるテストセンターでほぼ毎日実施されているテストです。テストに落ちても最短で1週間後に再挑戦できます。
1. 「統計WEB 統計学の時間 Step1.基礎編」を最初から最後まで通して読みます
「統計WEB 統計学の時間」はこちら。
- 全体像を把握することが目的なので、途中で分からないことがあっても
なるべく立ち止まらないようにしましょう。 - 期間はなるべく短く、さらっと読んで頭を整理しましょう。
私の場合は1日2〜3時間のペースで1週間ほどで読み切りました。 - 章末の練習問題も全て解きます。頭を整理できるのでお勧めです。
2. 過去問を解きます
過去問はこちら。
- 目安としては3〜6年分を解きましょう。私は時間がなかったので3年分+1回分をやりました。量をたくさん解くよりも繰り返すことを意識すると良いと思います。2〜3回繰り返して確実に理解しましょう。
- 過去問は無料のものが公開されていますので、まずはこちらで気軽に挑戦してみましょう。
- 解説は過去問に付属のものと、統計WEBにまとめられているものを参照します。過去問の解説はお堅い解き方が紹介されており、統計WEBの解説は感覚的に分かり易いです。どちらが良いと言うわけではなく、どちらも参考にするのがおすすめです。
3. チートシートを確認します
私が利用したチートシートはこちら。
- 関数がまとまっているので、頭を整理できます。
- 上記2つと並行して、確認しておくと効果的です。
- テスト直前に確認すると安心できます。
- 「統計検定2級 チートシート」などと検索すると、他にもいろいろな記事が見つかると思うので、自分に合うものを探してみましょう。
2度目の結果発表
そしてまた2週間が経過し、テスト当日となりました。受かる確率は40%程度だろうという感覚でした。
テストを解き終わった時も、1回目の受験の時とは比べ物にならないくらいの出来ではあったものの、合格は厳しいかもしれないなという感じでした。
結果は合格でした。
驚きましたが、とても嬉しかったことを覚えています。
合格につながった要因を一つ挙げるとすれば、解法パターンが頭に染み付いていたことでしょうか。
解法パターンを身につけるには試験範囲の全体像の把握が必須だと感じます。
闇雲に問題にチャレンジしていてはこの短期間で解法パターンを身につけることはできなかったと思います。
ですので「統計WEBで全体像の把握 → 過去問を解く」という流れが大切だなと感じました。
CTB方式で使えるちょっとしたテクニック
テストを受けて感じたちょっとしたテクニックをご紹介します。
さっさとテストを受ける
例えば1ヶ月以内に合格したいと思ったら、テストを1ヶ月後に設定するのでは無く、2週間後などの近いタイミングで設定します。落ちればまた1週間後や2週間後に受け直します。
テストの雰囲気を掴める分、2回目のテストを有利に受けることができます。この方が1ヶ月以内に合格することだけを考えた場合は確率は上がるよね、と言う話です。(受験にはお金がかかるため、考えどころではありますね。)
難しい問題は選択肢を2つに絞るまでで良い
CTB方式のテストは私が受けた時は、正答率60%で合格でした。
選択肢を2つに絞ることで正答率を50%にすることができます。難しい問題に対して正答率を50%に絞ることが出来れば十分です。時間を費やして1択に絞るより2択まで絞り込んで、さっさと次の問題に移る方が得策です。
受験してわかった、統計検定2級の勉強をするメリット
最後に統計検定を受験して、これこそが受験勉強をするメリットではないか!
と感じたことがあったのでお伝えします。
それは何かというと、難しくて読めないと感じていた数学書が、ある程度読めるようになっていたことです!
統計検定の勉強を通じて下記が身についていたからだと思われます。
- アラビア文字びっしりの関数式が理解できるようになった。
- 関数が持つ意味や、関数の用途が理解出来た。
データサイエンスを学んでいると、難解な数学書にたくさん出会うと思います。
それらの本からデータサイエンスに役立つ重要な考え方や作法を学ぶ事ができます。これは機械学習においても言えることです。
ですので、これからAI分野で頑張っていこうという方は特に、数学や統計を習得するにあたって統計検定で学んだことは必ず助けになると思います!
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記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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