データサイエンティストの初学者はまず「仕事の説明書」を熟読したらいいのではないか?

みなさん、こんにちは、村上(通称 みどり)です。

自分は普段データ分析のコンサルティング業務だったり、教育事業だったりをやったりしています。今回ご紹介する 「仕事の説明書」 は、自分がデータ分析の教育事業をする上で、まさに、「こういうのが欲しかった!!」という本でした。


 

田宮 直人 西山 悠太朗
土日出版 (2019-07-08)
売り上げランキング: 1,335

仕事の説明書は、データ分析官としてキャリアを積んでいくうえで、抑えておくべきポイントを圧縮して、かつ、できる限り分かりやすく、事例と共に詰め込んだ、そんな一冊となっていますので、 データ分析系のスクールに通おうか悩んでいる方や、データ分析のキャリアをこれからスタートする方、ある程度経験を積んだ方には是非とも読んでみて欲しい内容となっています 。

書籍を読んでからすぐに全ての内容を理解し、行動に移すのは難しいかもしれませんが、この書籍に書いてあることを日々行動に移して、実践できるようになれば、間違いなく、市場に求められる人材になれます。

本書に関しては、著者である田宮直人さん、西山悠太朗さんから、ご献本頂いたのですが、ひいき目なしに見ても、非常に素晴らしい出来となっています。

自分と同じように、エンジニアの下地がありつつ、分析のコンサルティングに軸足を置く著者だからこそ書ける一冊となっており、かなり近い領域で活動している自分としては「そうそう、、、これが大事なんだよなー」と深く共感しながら読ませて頂きました。

また、書籍を通じて、ドラゴンクエストを始めとしたゲームの例え話が出てくるのですが、自分も仕事をする上で、テーブルゲームなどのアナロジーを使って考えることが多いため、そういった観点でも、非常に共感する所が多い一冊でした(笑)

それでは、本の内容に関して解説をして行こうと思います。

本質的な問題にフォーカスして、圧倒的なパフォーマンスで解決して行く著者

本の解説に移る前に、田宮さんと、西山さんに関してご紹介をさせて頂きたいと思います。

私は、田宮さん、西山さんの両名と同じ現場で一緒に仕事をさせて頂いたことがあり、そのご縁で今回のご献本を頂きました。

一緒に現場で仕事をしていた頃は、ちょうど田宮さんの前作である「 ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ」を執筆している時期と重なって、めちゃくちゃ忙しそうにしていたのを覚えているので、また書籍を出版したのには、少しびっくりしました(笑)しかも、こだわりぬいた結果として、出版社まで立ち上げてしまうなんて・・・

出版社立ち上げの裏話に関しては、土日出版のブログ記事「勢い余って出版社を立ち上げた話」などを読んで頂ければと思います。

田宮さんに関してはデータエンジニア寄り、西山さんに関してはWebコンサルタント寄りのバックボーンを持たれているのですが、両名とも共通して、

  • 本質的な問題設定をして、
  • ビジネスや顧客の心理をデータを用いて定量的に分析し、
  • その結果を戦略レベルに落とし込んで、
  • その効果やメリットを関係者にしっかりと説明して巻き込み、
  • 具体的なアクションを実行する

という本書籍に書かれている内容をかなり高いレベルで実践しているというのが印象的でした。

文字で書くだけなら簡単ですが、かなり関係者が多く複雑な背景事情が絡み合っている現場で、たった数か月間で上記の一連の流れを実践するのは、めちゃくちゃ難しいです。

でも、それをやり切れる、稀有なスキルを持ったお二人でした。自分としても、このお二人と一緒に働いた経験は、今、データ分析コンサルタントとしても血肉となって生きています。そして、上記のようなことが、基礎でありつつも、本質的で一番大事なことでもあるというのを、感じさせられました。

そんなお二人が、

平日に現場で働いているからこそ、伝えられることがある。土日を執筆に割いてでも、伝えたいことがある。

という、コンセプトで一年以上の期間をかけて執筆した一冊、一緒に働いていた私から見ても、非常に現場間満載の一冊となっています。

少し前段が長くなってしまいましたが、それでは、各章の概要と、個人的に気になったポイントをピックアップしていきます。

各章の概要、トピック

1章 仕事の説明書を作成する

まず、第1章では、仕事と遊びの対比から始まり、「モチベーションとは、与えられるものではなく、奪われるもの」という、強烈なメッセージからスタートします。

そして、遊びと仕事の対比では、「仕事をゲームに近づけるためにどうすれば良いか?」という観点で説明されます。「仕事が楽しくない。。。」と思っている方は、自分の状況に当てはめて、何がゲーム的な要素と違っているのか考えてみると、仕事を楽しめるきっかけになるかもしれません。

また、仕事をする上で、今まで考えたことのない視点であったり、様々な知識を備えて立方体で物事をとらえることの重要さを解き、アナロジー思考などを用いて、新しい視点を取り入れる方法を紹介しています。

この章では、ソーシャルゲームで、コンプガチャが規制された後に、ただただ集めたくなるだけの「七人のこびと」ガチャを提案されて分析官としての限界を感じたという逸話があるのですが、分析の限界を考える上では、非常によくできたストーリーとなっています。

2章 仕事の目的は問題解決

第2章では、演繹法、帰納法、MECE、ロジックツリーを始めとした、ロジカルシンキングに必要な思考法、フレームワークの紹介と、 解の質やイシューの質を評価することで「解くべき問題が何であるか?」を明確化する方法に関して説明されています。

これらの手法に関しては、コンサルタント職が良く使うイメージを持たれているかもしれませんが、これらの手法に関しては、大なり小なり「問題解決」を仕事にしている方であれば、確実に理解して使いこなすべき手法です。

ロジカルシンキング系の書籍ではアブダクションや、イシューの質などに触れてられている書籍はなかなか少ないので、ここにある全領域をカバーすれば、「問題定義」に必要な知識は一通り手に入るかと思います。

2章では、「重要なのは問題解決ではなくて問題定義」というトピックが印象的でした。 私自身、データを用いた問題解決を主な仕事としているのですが、うまく行かないプロジェクトの半分以上が「問題解決」ではなく、「問題定義」にあるというのが感覚値なので、もっと問題定義の重要性が認知されると嬉しいですね。

3章 ビジネスというゲームを紐解く

3章は、3C分析、SWOT分析、5F分析、4P・4C分析、AIDMA、カスタマージャーニーといった、マーケティング系のフレームワークをベースに、「ビジネスの構造を紐解く」という所にフォーカスした章になっています。

一つのビジネスモデルでも、様々なフレームワークを用いて、多角的な観点から分析することで、今まで考えもしなかった仮説や問題が浮かび上がってくることがあります。

また、分析者としての観点としては、何か新しい問題を解決するために、こういったフレームワークを一度作っておくことで、ビジネスの理解が深まり、その後のデータ分析や施策に関しても、筋の良いものが出せるようになっているような気がします。

現状を知る or 未来を予測する」×「顧客のニーズを知る or 自社の戦略を立てる」

のマトリクスで、どのフレームワークを選んだらいいか書いてあるものに関しては、今の課題に適しているフレームワークが一発で分かるという、めちゃくちゃ便利なものになっていて、個人的にも是非活用したいと思います。

4章 数値化・言語化によりビジネスの解像度を上げる

ここから4章、5章と、著者の本分であるデータ分析の領域に入ります。まず第4章では、PPM分析、ABC分析、デシル分析、RFM分析など、代表的な分析手段を紹介しています。

データ分析というのは、

  • 分析軸を設定して
  • セグメントを区切り
  • セグメントの傾向を見極め
  • セグメントに対するアクションを決定する

という手順が基本であり、そのアプローチに関して、代表的な分析手法を用いて説明するような章となっています。

5章 データからアクションを導出する

5章では、 納得がいくようなストーリーを、データから導き出す手法であるデータストーリーテリングの重要さを説く所から始まります。

そこから、ストーリーを説明するために、どのような分析対象に対して指標(売上や顧客単価などの分析する数値的な対象)や、ディメンション(都道府県や性別などの分析軸)をどのような視点で活用するのが適切か、それらを主張に合った適切な図表を用いて可視化するにはどうしたら良いのかという説明に続きます。

また、分析の実務で頻繁に発生する、「時系列データに移動平均を当てはめてトレンドを把握する」、「ヒストグラムがふた山に分かれた際に、背景に潜む属性情報を考えて分離する」といった、実践的なテクニックも紹介されています。ここら辺は、筆者の現場経験が色濃く反映されていますね。(大体どんなデータ分析でも時系列データは移動平均でザックリと傾向を見て、ヒストグラムをザックリと出してどういった属性が背景に潜むかみたいな分析を最初にするので、鉄板の分析です。)

そして、分析をするときにもっとも大事な、「その分析の目的は何か?」という内容を以下の4種類に分類しています。

  • 現状把握型分析
  • 問題探索型分析
  • 仮説検証型分析
  • 価値創造型分析

ここら辺が曖昧なまま分析プロジェクトがスタートすると後でえらいことになったりするので、なんとなく分析を始めちゃっている人は、ここら辺を意識して分析したり、方向性を確認したりするだけで、分析の質が一段上がると思います。

分析の事例に関しては、具体例がWeb系、売上分析系に寄った内容になっているため、その他のジャンルのデータ (製造業、人事系データ、アンケート系データ等) に関しては若干の読み替えが必要かなという印象がありますが、そこに関しては、1章、2章で学んだアナロジーやロジカルシンキングを活用して適宜読み替えて頂ければいいかなという感じです。(本質的には同じことなので。)

全体の印象としては、「データからアクションに繋げる」という観点で高度な分析が必要が無いような分析であれば、ここにあることで、データ分析に必要な内容をほぼカバーしていると言って良いのではないでしょうか?

6章 競合や顧客を意識して戦略を立てる

6章に関しては、「現状を理解すること」、「戦略の価値を評価すること」の2点に関して、ポジショニング、リスクとリターン、質と量の改善、ゲーム理論などといった、様々な角度から解説しています。

本章の要旨としては、「自分の状況に合わせて取るべき戦略が変わるので、自分の状況をしっかり把握して、最適な戦略を取りましょう」ということだと思うのですが、これ、めちゃくちゃ重要なのですよね。

何が大事かというと、「強者には強者の戦略、弱者には弱者の戦略があって、単一の成功法則はない」、という所かと思います。

例えば、Amazonのような独占的な地位を確立している企業であれば、その地位を使って小売の店舗や物流会社に対して有利な契約を要求することができます。

一方で、スタートアップなどに関しては、倒産リスクを顧みずにチャレンジしやすいですが、大企業は同じ状況でアクセルを踏みづらいといったシチュエーションがあります。これは、最悪の自体がスタートアップの場合「倒産」なのに対し、大企業だと、数十億円、数百億円の赤字、上場廃止、 ブランディング毀損 など、問題が発生した際に失う資産や権利などのリスクが多すぎて、それらへの影響などを考えなければいけないため、同じシチュエーションで同じ戦略を取ったとしてリスクが違うからです。(ポーカーでいうとチップが少ないときにオールインで揺さぶれる、麻雀だととび寸前で全ツッパするような状況に近いかもしれません。)

個人的には、本章でゲーム理論に関して言及されていたのが嬉しかったです。(こういった戦略的な思考をする上で、「ゲーム理論」の存在は非常に重要だと考えているのですが、なかなかこういった書籍で見かけたことがなかったので。)

本書を機会に、ゲーム理論に興味を持ってくれる人が増えるのを願っています。

7章 仕事を前に進める

7章に関しては、仕事を前に進める上で、重要な

  • 小さく成果を出して
  • 関連メンバーを巻き着込んで
  • 計画や結果を適切に関係者に伝える

といったことにフォーカスしています。

本章で書いてあるようなことに関しては、一部の方からは「社内政治」と揶揄されて嫌われることが多いような内容かもしれませんが、これができないから損している優秀な技術者の方が多くいらっしゃるような気がしています。

「自分は技術力があるのに全然評価されない」と思っている方は、実は思っているほど実力がないか( ダニング=クルーガー効果 でググってみてください)、本章に書いてあるようなことができていないため、技術の価値を適切に理解してもらえていない、という状況のどちらかだ思います。

特にエンジニアや分析者気質の人は苦手な領域だと思いますが、技術は使われてこそ初めて価値になるので、こういった領域が苦手と考えている人こそ、是非とも仕事を前に進める術を覚えてみてください。少しの取り組みで劇的に仕事がしやすくなるかもしれません。

8章 仕事を楽しみながら、キャリアアップする

最後の8章では、

  • 物事をゲーム化する際に用いられる「ゲーミフィケーション」のフレームワーク
  • 行動からフィードバックを得る環境を作ることで、継続するためのモチベーションを維持する方法
  • 物事に挑戦する際に心理負荷を最適化することで学習効率を最大化する方法( ラーニングゾーン、コンフォートゾーン、パニックゾーン )

などなど、「いかに高いモチベーションを持って、仕事に取り組む状況を作るか」、「いかに効率的にスキルアップをして行くか?」という話を中心に展開されていました。

そして最後に、「初めはみんな下手だった」という一文で締め括られます。そう、どんな人でも、最初は初心者なんですよね。そして、ゲームを始めるのに、「もういい年だから」といって諦める人がいないように、仕事に関しても、いつからでも各々が設定したクリアを目指して楽しみながらプレイして、失敗を繰り返しながら、試行錯誤しながら、ちょっとずつ進めて行けばいいのですよね。

著者から、「こんなに楽しいゲームがあるんだから一緒にプレイしようぜ!俺が攻略法教えてやるからさ!!」と語りかけられてるような気がしました(笑)

感想

この書籍を読んで思ったのが、「やっぱり大事なのって、ここに書いてあるような基礎なんだよなぁ。」、という所と、「ようやく『これ読んどけばいいよ!』って、おススメできる書籍が出た!」という2点です。

まず1点目に関しては、結局、仕事で成果を出せる人って、 基本的かつ本質的なこととを高いレベルでできる人だと思うのですよ。自分が、「この人すげーなー」って思う方は、「仕事の説明書に書いてあるようなことを一通り網羅した上で、プラスアルファでスペシャリティを持っている」というような人がほとんどです。また、ここら辺の基礎的な部分ができていると共通言語ができるので、別の専門領域の方でも、コミュニケーションが非常に円滑に進むように感じます。

2点目に関して、自分は、スクールの事業でデータサイエンティストの育成をした経験があるのですが、データサイエンティストを目指す上で、 最も大きな壁となったのは、数学やプログラミング以上に、「仕事における基礎力」の部分でした。

同じ職業で、同じ役割をずっとやっている場合、基本的に同じ領域のスキルセットが伸びて行くので、例えば、以下のような状況が発生します。

  • データの読み解きは得意だけど、そこからアクションに繋げるような提案の仕方が分からない
  • ある特定の分野のビジネスにはめちゃくちゃ詳しいけど、別の領域のビジネスになると応用が利かない
  • 数値の取り扱いは得意だが、ロジカルな文章構成が苦手
  • ロジカルで定量的に説明できるのだが、問題設定が悪く、なかなか改善につながらない分析をしてしまう

上記のような状況に合わせて最適な書籍をおススメするので、おススメする書籍がその人の状況によって全然違うのですよね・・・

今まで、初学者に対して書籍を推薦することがしばしばあったのですが、

  • 課題の設定方法であれば、「イシューからはじめよ」や「仮説思考
  • ロジカルシンキングであれば「書く技術、考える技術
  • 分析関連であれば「本物のデータ分析力が身に付く本
  • ゲーム理論であればMBA関連の書籍
  • マインドセットがどのように仕事にパフォーマンスを与えるのかであれば「マインドセット

といったように感じでおススメをしていました。その人の苦手分野や、必要としているしている情報によって最適な本が変わってくるので、「これを読んでおけばいいよ」って本がなかなか無かったのですよね。

本書に関しては、そういった領域に関して、エッセンスを抽出して、それがどういったもので、どういった活用シーンで使えるか分かる形で詰め込んであるので、「とりあえずこれ読んで、気になった領域があったら教えて。」という形で、太鼓判を押しておススメできる一冊となっています。

仕事の説明書をどう活用するか?

本書に関しては、よくまとまっている反面、「ボリューム感満載だけど、これだけやんなきゃ、やっぱダメだよねー・・・」という感じで、書籍の内容を全て実践レベルで行えるようになるまでは、3年以上かかると思います。

なので、キャリアのフェーズごとに、こんな感じで使ったら良いんじゃないかなーという目安を記載しておきます。

これからキャリアチェンジを考えている方

これからの将来、どういうキャリアを描いていけばいいのか、悩まれている方も多くいらっしゃると思います。そういう方にお願いしたいのは、「この本にあることを、最低限、一通り身に付けてからアクションを起こして」という一言に尽きます。

今自社の中でできる環境があるのにできていないことは、新しい環境に行ったからといって、できるようにはならないです。

これからキャリアチェンジを目指している方はまず、各章の領域の中で、「すでにできていそうなこと」、「今の仕事の中で意識してやれること」と、「今の仕事の中では難しいこと」を切り分けてみてください。(この時点でロジカルシンキング、MECEといった概念が必須になってくるはずです。)

実際に書き出してみると、「意識さえ変えてしまえば、仕事の中でも訓練できることが多くあることに気づくはずです。(もし気付けないのであれば、恐らく視点が足りていないので、「1-4 問題が解決に至らない理由」などを参考にすると良いかと思います。)

例えば、会社の業務の中で、以下のようなことができるかと思います。

  • 何か文章を書くときに、ロジックツリーを使って内容を整理してみる
  • 隙間時間を使って自社のデータを分析してみる
  • 提案をするときに、ゲーム理論に基づいて、「自分はどんな選択肢を持っているか?」、「この提案をしたときに相手がどんな選択肢を持っているか?」と考えてみる

その上で、環境や役割上難しい領域が出て来ると思うので、その部分に関しては、業務外の時間で補っていくのが良いのではないかなと思います。

そこである程度経験が積めたら改めて、「自分のキャリア、人生」という、自分にとって最も大事な問題解決に取り組んでみましょう。

この状況にいる方に関しては、本書6章でいう所の「後続企業」に当たるので、人材として一線で活躍する人(リーダー)に対して、チャレンジャー戦略で立ち向かうのか、フォロワー戦略で確実に収益を得るのか、はたまたニッチャー戦略で別軸で戦うのか、経験を積みつつ、考えてみると良いかもしれません。

仕事の説明書に倣ってゲームを使って表現するなら、「キャリアチェンジは難易度の高いダンジョンなので、経験値を稼いで、十分にレベルアップをしてから、戦略を立てた上で次のダンジョンに進むべき」という感じだと思います。

問題解決を仕事として2~3年以上経った方

「問題解決を仕事にしている方」というのは若干曖昧ですが、例えば、コンサルタント、SIer、システムエンジニア、Webエンジニア、ディレクター、データサイエンティスト、アナリストといった職種で2~3年以上経験を積んだ方を想定しています。

この領域の方は恐らく、本書に書かれてあることを、実体験に紐づけて考えることができると思います。そのため、過去の経験を元に、「あのとき、こういう風にしておけば良かったんじゃないかな?」と実体験と紐付ながら読むのが良いんじゃないかと思います。

その上で、なかなか触れたことが無い領域に関しても出て来ると思いますので、そういった領域に関しては改めて専門書を読んだり、「なぜ今までその領域に接することがなかったのか?」、「その領域に接するためにはどんなポジションで仕事をすればいいか?」といったことを振り返るために使うといいのではないでしょうか?

また、プロジェクトを推し進める上での辞書的な形で、「とりあえず困ったら開く」というような使い方で、どの方向性から考えるかの指針として役立てると有効に活用できるんじゃないかなぁと思いました。

新卒の方

新卒の方に関しては、恐らく、本書に書かれていることが腑に落ちたら、めちゃくちゃセンスがあると思います(笑)

「よくわかんないけど、書かれた通りに実践してみる」というような感じでとにかく書かれてあることを実践してみるのが良いんじゃないかなぁと思います。

そして、その都度、実際にやったことと紐付ながら、「こういうことだったのか!」と腑に落ちるまで振り返ってみるというような形で活用すると良さそうですね。

都度実務の中で思い出したり、書籍を読みながら振り返ったりすることで、書かれてあることの理解度を徐々に高めていけば、非常に市場価値の高い、求められる人材になれるのではないかと思います。

皆さんも一緒に、ゲームのように仕事を楽しみましょう♪

初めての献本と書評ということで長文になってしまいましたが、 以上レビューとなりました。

本質的で、いつまで経っても色褪せない大事なことが詰まった一冊となっているので、初学者の学習からプロフェッショナルな方の振り返りまで、シーンに合わせて活用できそうですね。

日本の未来のためにもベストセラーになった方が良い書籍だと思いますので、是非皆さんも「仕事の説明書」をご一読ください!!

そして、「遊ぶように仕事をする」人になって、是非一緒に仕事しましょう♪


 

田宮 直人 西山 悠太朗
土日出版 (2019-07-08)
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